乗り慣れない…車で
梅雨があけたというニュースに雨に似合う紫陽花がその時を忘れて、やや草臥れている様子。我が家の百日紅も雨粒を含んで重く首を垂れて萎れる風情で咲いている。
…というそんなときに九州から四国、近畿にわたって
猛威を振るう大変な雨だ。
最近は限度ということを知らないような
自然の有様に辟易とするが
自然を相手では何ともしようがないのである。
宮崎、福岡、愛媛、岡山、広島、岡山、山口、滋賀・・・活発な梅雨前線による豪雨被害が広がっている。それは土砂が人家を襲い、人命に関わる大変な被害となり胸が震える。
関東地方では早々と梅雨が明けて、そののちに台風が発生して、南の方で影響が出始めているころ強い日差しからようやく蔭りを見せ始めてくれて雨もチラホラというホッとした感じだったのに…。
その後、私は何時も居る関東地方から中部地方に移動、夫の車に乗ることになった。
何時も乗り慣れている私の車ではなく馬力もある大きな夫の車に乗る羽目になったのだ。
何時ものようにブレーキを踏んだのに何と体が前のめりになるくらい強い衝撃を感じたりする。この車はブレーキにしてもスピードにしても感度がよく反応するのでとても緊張した。
そのうえ慣れない道だし、周りのドライバーの気持ちが普段感じるものとはわずかに違っている。車と車の微妙なコミュニケーションが少しズレていて受け取りにくい。そんな運転者の車に乗せられた夫は最高に口やかましくなる。
「え!?…、私は25年のキャリヤなのよ」と思わずつぶやき「煩いなぁ」と叫んだけれど、怖かったに違いない。運転する私が第一に恐ろしいと感じているのだもの当然かも知れない。
(まあ仕方がないか)と悟った。気を落ち着かせるためにも役に立つのだろうと里山風景の真ん中に、夫がナビしてくれたため、本当にホッとした。
この大都会の真ん中には電車や地下鉄の方が便利だし怖がらないでもいいけれど…。田園風景に身を置いて涼風を肌に感じて、(うん…、気持ちがいい!)と一息つき、その辺りを車から降りで散策。
そこへ「仲がいいね、羨ましいな。」と親しく声をかけてくれた方は、この辺のお住まいらしい…。
その優しい笑顔の小父さんは、レッスンバックのような手提げ袋をもっていらした。その中にはスケッチブックが三冊入っていたのだ。
「あら!見せてください」とお願いしたら本当に喜ばしい笑顔で、「小学生みたいな絵なんだけれど見てくれる?」と嬉しそうにされて見せて下さった。丁寧に彩色したものや、まだ描きかけと言うものも臆せずにご披露して下さった。
里山の風と共に緑の色を感じる出会いは、大切なひとときを与えてくれたような気持ちだ。叱られながらの運転でしょげている私にとってはまさしく一服の清涼剤であった。
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