心理学者が論ずる「好意(好き)」と「愛」の違い
「人間は、自分により多くの成果(満足)をもたらしてくれる他者に好意を抱く。しかし、愛はむしろ他者に対して成果をもたらすことからなっているといえる。好意の形成が自分本位の利己的なものであるのに対して、愛は相手本位の利他的なものであり、好意と愛はこの点で対照的なものであるといえる。好意の強烈なものが愛ではないのである」。
「愛」は人を優しく包んだり、かばったりなど、人のため、他の人を想ってする行為と言えるが、「好き」は自分が主体で自分の赴くままに相手がどうあれ自分自身の感情のことだと、はっきりと区別している。
いろいろな研究テーマで長年研究してきた心理学者・長田雅喜(名古屋大学名誉教授)はその研究の中心となったものは『対人魅力』という分野であった。対人への「好意」(好き)と「愛」をはっきり区別したことが画期的だったことで、あちらこちらでこの解明が引用されたのである。この理論を読んだ方々は、これを納得し今の感情は「好きなのか、愛なのか」を識別する大きな手掛かりとなったのだと言う。
〈そう言われればそうだわ〉と、私は、朦朧としていた柔らかさのある感情がそんな定義に括られるのかと気づかされた。
そしてさらにインターネットで取り上げられていることも分かった。
心理学の研究者から、大学で教鞭を取っている諸先生まで、上記のような明解な解釈がなされたため「好意」と「愛」を区別して教えることができて、その講義で手を打って納得する学生たちの反応をみて、喜びを隠せない反応もあった。
その理論を手づかみで救い上げたような表現で「ナントびっくり! 好きと愛は違うなんて!」というタイトルで、この理論に目をつけインターネットにアップしてくれたりしたことや、学生たちにこのことをテーマに教鞭をとったという事実を心理学者・長田雅喜は、同じ分野の研究者、諸教授陣に感謝申し上げたいという気持ちであった。
このような対人魅力の分野で特筆すべきことだと挙げられ、それがやがては叙勲の対象としての研究テーマのひとつにもなっていたといえたようだ。
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