空を見る

空を見る
時の流れがゆっくり行くのか
早いと言えるのか
ある時はのんびりと
空を見上げると
雲は全く動いていない
時は止まっているが如くに
黒く広がった雲のそばを
カラスが素早く飛んで過ぎて行く
慌ててねぐらに帰っていくのか
飛行機雲が
夕方の黒い雲の向こうに
一筋真っ直ぐに白い線を引いて行く
黒い雲の塊の向こうには
真っ白な雲が優雅に浮かんでいる
そのまた向こうに
青い高い空が見えている
この混沌とした思いを
青い空の向こうに飛ばしてみたい
人は老いて行く
諦めて老いて行く
自然に逆らっていられる時は
まだゆとりがあるのだ
もう逆らえないと思う時が
あるのかも知れない
神に近い時がくるのか
神がいるのか
一番諦めているのは
私…だ
諦めていないのは大きな青空
高く広い広い空がここにある
こうして誰かが救いの手を
延ばして
伸ばして
いるのだと分かる
今日は言いたくはないけれど
負の座標にある
私だけの静かな部屋での独り言
昼間は大きな声で笑っているのに
釣瓶落としの夕暮れに
ちょっとメランコリックに
こんな時もあって良いのよ
こんな時がなくっちゃ生きては居られないのよ
心配しないでね
この時を楽しんでいるのだから
この秋を楽しんでいる
私なんだもの
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