先日の作品展は中学時代の恩師が地域的な活躍をされているので、私たち教え子は心から応援しています。先生がお丈夫で、頑張って地域の皆さんに活力や様々なご指導をされていることが誇りでもあるのです。
画展が開かれるという案内はがきが届けられるたびに私たち教え子連盟は何とか会場に押しかけているのです。この度もそうです。
なんとその時のお礼状がこんなに丁寧な気持で届けられました。いつもそうなのですが、なんてお礼を言っていいのか言葉が見つかりません。
93歳になろうとされているのに立派でお上手な文字をしたためられていますので、私は先生にお手紙が出せないくらいとても恐れおののいています。
下の方の↑写真の一コマに示したものは、和紙に先生の感覚でうっすらと下地模様をお書きになってその上に素敵な文章の筆跡です。
有り難くてどのように飾ればいいのか、単に重ねて仕舞ってしまうことはとてももったいないような気がします。
とにかく心のこもった先生に、私はその何十分の一の表現しかできませんがお返事を書き、あの時の写真を封筒に入れ送りました。こんなので良いのかと迷ってしまいます。
そしてまた心の温かさを感じ入っていることがあります。
あの時にフルートの演奏された
市原きみ子さん姉妹がお母さまの日本画画集を
出版されました。なんて親孝行なことでしょうか。
お母様の米寿のお祝いに演奏家の市原さんと妹さんが作品を編纂して本を刊行されたそうです。
お母様は市原みつさんと言われます。
この画集は平成23年6月2日発行です。
80ページのボリュームで約30の日本画作品が掲載されています。
市原みつさんは大正12年生まれで50歳のころから日本画を習い始めたのだそうで、娘さんきみ子さんは音楽家。
母親とその仲良しの友だちをお連れして親孝行旅行を13回も続けられたとか。
またお母様の日本画作品は千葉県展、千葉市民美術展、四季展、東金文化祭など多数出品なさったとか。中でも、第18回千葉市民美術展で美術館長賞を頂いたという実力の持ち主。
その誉れある作品は下に示す「母子」。
きみ子さんの妹さんが二人目をご出産後の、2週間目の姿を描かれたというものでした。
それはやわらかい色調で母と子を表現されたもので記念すべき作品となったのでした。
彼女(お母さん)にとってのお孫さん(描かれた赤ちゃん)は、現在保育士となってまさにご自身の子育て奮闘中とのこと(6年前上梓されたこの本による)。
また賑やかに家族総出の写真がありますが米寿のお祝いの時のものだそうです。
それまで一緒に旅をしていた仲良しの友、教員をなさっていたという友だちが亡くなってから元気・やる気が失せてきてしまったようだと、娘さんの観察。
デイサービスにも通い94(?)歳でお亡くなりになったとか…(合掌)。
きみ子さんは長く独身でしたが今は、二人の子供と五人の孫がいる身になったと見事に「つじつま合わせのプレゼント」ができたのではないかと友だちにも評価されたし、親孝行もできたので…と、あとがきにしるされていました。
本当にお見事です。
あ~、私はあと何年生きられるのかしら?何にも遺すものがないわ。今頃になって慌てても仕方がないわね。それこそイソップ童話の「アリとキリギリス」だわ。
慌てないで静かに身の回りを見直そうか。これといったものなど何にもないけれど生きてきた証なるもの、子どものことや孫のことを観ている。まあ大したものだと評価しよう…。
そしてささやかに見直してみる時間はこの上なく大切だと自分を慰めるのも一つの「手」だよ…ね。
一つの「逃げ」だけれど…。
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