左縦一列は昨年6月の絵画展のもので、恩師を囲み旧友も揃って絵から中学生時代の思い出話など談笑できた。
描かれた「女性」の姿は電車の中からそれぞれに帰るところへと散って行った駅頭までの、見ず知らずの方をモデルになさったそうである。
その方の姿など密かに観察してメモ帳にポイントを描きとめ、頭のなかにしまいこんでおいて、イメージだけで描きあげられたそうである。中年の、あまり若くない女性像であった。
「絵にするとつい若さ漲る頃を描きたくなるのに、先生は…難しい年頃を描き上げなさったんですね」って、冷やかしたら、先生は可愛く顔をくしゃくしゃにしてお笑いになった。
後で描こうと辺りを絶えず観察しその場のことを記憶されてから、(画歴が長いからいくつもスケッチされていることもあろうけれど)モデルが目の前に居なくても絵が出来上がる…これは年などとって居られない訳だわ。
因みに先生のお年は(叔父と同級と言っていたことを回想すると…)、今年88歳米寿になられたはずである。
最初の写真群の、真ん中から右列はこの度のもの。イオンモールC.ニュータウンのホールが会場。(洋画・水墨画・日本画 全80点 他にチャリティ小品展)
「この海よ。」と題してこの度の津波から受けたなんともやるせない気持ちを絵に表された。
憎いはずの海だが人は海からたくさんの恵みを受けている。母を亡くした父子の後ろ姿。子供の手首には赤いブレスレットが光る。そしてノコンギクの花を裾に配して、悲しみばかりに沈みこまないでその現実から立ち上がった人の心を描かれた。
大きな絵、テーマも重い。描き上げるには相当なエネルギーが必要だ。
私は先生の力強さに感銘を受けた。お年じゃない。その心が大事だと仰っているみたい。
また、この度は絵画展と併せて「チャリティー小品展」も同時開催ということで、初日開催時より2時間近くも前に行って待ち受けた。しかし、残念なことに先生の絵は、希望者が多くじゃんけんで負けてしまった。
私は2番目に良いなと思った絵、1番目に良いと思ったものは希望者が多かろうと控え目に希望したのに…。ある時期までは私が一人だけだったので、手に入ると思っていたがその締め切り時間にじゃんけん! あ~残念でした。
けれども、一緒に行った妹もやはり負け組。二人揃って手に入れられなかったのだから、それも気持ちいいね、良かったね…と、慰め合った。
〔ふふふ…“それで良いのだ~”ってフレーズが聞こえたような気がしました。〕
10月1日10:30~15:00の記録
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