この日は1か月前からの約束の日。皆さんからみると私は断然集合の駅に近くに居ります。11時の約束にぎりぎりの、ジャストに到着して…。集合掛けた私が遅くとも5分前には到着を心がける気持ちではありましたのに、ヤキモキさせてしまったかしら。ランチにしてはちょっと奮発しています。
名前も雰囲気のある「朧月夜」―ネットで予約。
大きなビルの狭間に小さく建っている古い日本家屋で、
奥まった静かな小ぢんまりした部屋に通されました。
密談も可能な感じです。
でも密談などする我々仲間ではないのですが、
たまにはこういう部屋も有りかと感じました。
というのも、少しいつもとは違います。
心に重たいものを抱えている私たちです。
入院している友のお見舞いですが、少々辛いのです。
友を力づけることが出来るのか不安なんです。
出来れば私は顔を見ないで遠くから
頑張れ~ってエールを送る気持ちの方が
素直に受け入れられると思うのです。
元気だけが取り柄の私たちが
心から励ましていると伝わるのでしょうか。
病を抱えている方が、素直に気持ちを
受け取ってくれるのでしょうか。
むずかしく思いますが、慰める言葉や態度に対して
涙を流しているのは、きっと喜んでくれている
という見方があります。
息子さんは母が喜んでいますのでどうぞ来てくださいと
言ってくれているからその気でお見舞いに出掛けるのですが。
彼女の才媛ぶりは体が動かなくても健在です。もう声帯は手術によって機能しなくなりましたが、パソコンで会話しています。「ありがとうおそ・・(間がありました。間違えて打ってしまったかと思いました…)うしきもありがとう」まず、その言葉が、画面に映りました。
彼女のご夫君がつい先ごろの6月27日にご逝去されたのです。告別式は29日。私はちょうど、そちら方面に行くつもりでしたので、そしてSYさんは通夜にも参列したというので勇気を奮ってお葬式に参りました。その時のお礼の気持ちを忘れずに書かれていたのでした。
自分にお見舞いというのが精いっぱいだろうに…、彼女にとってはご夫君のお葬式にも出られない悲しさを体いっぱいに受け止めていたのでしょう。お見舞いに来てくれてありがとう、そして夫IKのお葬式に参列を賜りありがとうと、お礼の言葉を気に留めてくださっていたのです。
画面↑には、同じ病室での最後の遣り取りや、その死後の夫の行方についての思いを画面に事細かに綴られていました。ご本人が生きてゆくことさえ今は困難に見えるのですが、細かい感情までが画面には綴られていました。病室でカメラもどうかと遠慮していましたが、ふとブログに記録しておきたいと思い写してしまいました。
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その後いつものように喫茶店で、長々とおしゃべりしました。この日の総括?と、今後のことやいろいろの展開がありました。*ランチの時に、お邪魔したお店の玄関には大きな鏡がありました。口べに直しにリップスティックを取り出して塗ろうとしたそのときに手元が狂い、キャップを落としました。コンクリートの床に当たり、何処か周辺へ飛んで行きました。カラコロカラッ!!!と、快い音だけを残して…。直後に陶器の傘立てや腰位置までのたばこ灰皿入れなど玄関にあるものを退かして探しましたが見つかりませんでした。
病室の前に到着した時にキャップが見つかったとお店の方から携帯に知らせてくれたのです。リップスティックのキャップなしでは外には持って行かれませんし気に入っているものでした。喫茶店で休憩の後の解散後は、雨の中をモノとも思わず引き返し、受け取りに参りました。
この日は雨降りなので時間よりも暗く思いましたが気持ちはホッとして、幾分軽い気持ちで帰路につきました。
by nagotu3819
| 2015-07-06 13:35
| 交友録